第145章 私は離婚した、彼女の邪魔はしたくない

「旦那様」

果物の盛り合わせを運んできた琴子が玄関先に立つ中野航平を見つけた瞬間、ぱっと表情を明るくした。まるで救世主でも現れたみたいに。

その声に反応して、ソファでゲームをしていた中野蓮が「ぴょん」と跳ね起きる。横に置いていた冷えたコーラを手放し、行儀よく父親を見上げた。

「パパ、おかえり! 蓮、すっごく会いたかったよ~」

航平は数歩でソファ前まで行くと、息子の手からゲーム機をすっと取り上げた。掌に残る熱。眉間に皺が寄る。

「……どれくらいやってた?」

問いかけた相手は琴子だが、鋭い視線はずっと蓮に刺さったままだ。

琴子は不機嫌そうな航平と、目を泳がせる蓮を見比べ、迷った末に...

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